うさぎ不正咬合の症状と見分け方は?原因と予防方法を知って歯を守ろう

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歯はうさぎの命です。

 

【不正咬合(ふせいこうごう) 】うさぎを飼育している人ならご存知だとは思いますが、本当に怖い病気です。

 

多くの場合が正しい飼育方法により予防することができるので、まずはこの病気のことを理解してうさぎを守ってあげてくださいね。

 

今回は不正咬合とは何か、症状と見分け方、原因と予防などについてご紹介しますので参考にしてください。

 

 

 

うさぎは、【歯が命】だぴょん!・・・byよしの

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不正咬合って何?

 

 

簡単に説明すると、歯を正常な長さに保つことができず、伸びた歯が原因で口の中を傷つけてしまったり、かみ合わせが悪くなる病気です。

 

この【不正咬合】はうさぎにとって珍しい病気ではなく、治療をともなう病院受診の理由として

1位・・・消化器官の不調

2位・・・不正咬合

 

多くのうさぎがこれに苦しめられており、治療を受けているのが現実なんです。

 

 

 

 

うさぎの歯の特徴

 

 

犬や猫などと違いうさぎの歯は【常生歯(じょうせいし)】と言って一生伸び続けます。

 

1か月で約1㎝、1年で約10~12センチも伸び続けるというから驚きですよね。

 

その伸び続ける歯を正常な長さに保つために、繊維が多く含まれている牧草などを上下の歯ですりつぶすようにして食べ、歯を摩耗しているのです。

 

 

1分間に120回ほどの咀嚼を繰り返し行うことで、常に歯が正常な長さに保たれているというわけです。

 

しかし何らかの原因でこのバランスが崩れてしまうと、歯が削れなくなってしまい【不正咬合】を引き起こしてしまいます。

 

 

またうさぎの歯は口の中に伸びるだけでなく、歯の根元(歯根)も内側に向かって伸びていきます。わかりやすく言えば上の歯は目の方向に、下の歯は下あごの骨に向かって伸びるのです。

 

 

これも常に正常な歯の状態を保っていれば心配することはありませんが、不正咬合になってしまうと歯根部分が伸び始め、様々な病気の要因になるのです。

 

 

 

 

不正咬合になったらどうなる?

 

歯が正常に削れず伸びすぎてしまうと、かみ合わせが悪くなります。

 

 

また噛み合わせが悪くなることでうまく歯が削れず、歯の一部分だけがとげのように鋭く伸び続けて、頬の内側に刺さったり舌を傷つけてしまうのです。

 

前歯はセルフチェックできますが、奥歯の状態をチェックすることは不可能なので、進行してから気づくことが多く、この場合、非常に強い痛みをともない、普段のように食事ができなくなってしまうことに・・・

 

それが原因で違う病気を発症してしまうこともあるので早期発見をして適切な治療を受ける必要があります。

 

 

 

うさぎを仰向けにして抱っこすると簡単に前歯のチェックができますので、定期的に見てあげてください。

 

 

 

 

不正咬合は怖い?

 

 

いちど不正咬合になってしまうと、正常な歯に戻すことは難しいんです。

 

そのため定期的に歯を削る必要がありますが、処置をするために全身麻酔も必要になってきます。これはうさぎにとってかなりリスクがあり、全身麻酔で命を落とす子もいるんですよ。

 

また不正咬合が原因となり様々な病気を引き起こすこともあるので、とても怖い病気なんです。

 

 

 

膿瘍(のうよう)

 

 

うさぎのあご付近が腫れてきたら要注意!

 

これは不正咬合の合併症としてよく見られる病気で、完治させることがとても難しい深刻な病気です。

 

下の歯の根元があごに向かって伸びていき、下あごの骨を突き破って細菌に感染して膿瘍ができてしまいます。

 

これが上の歯で起こると眼球付近に膿瘍ができて眼球を押し出してしまいます。これは眼球突出と言い、ひどい場合は眼球を摘出することにもなります。

 

 

 

 

鼻涙障害(びるいかんしょうがい)

 

 

上の歯の根元が目の方に向かって伸びることで目と鼻をつなぐ鼻涙管を圧迫してしまいます。

そのため鼻涙管に炎症が起きてしまい涙が止まらなくなります。

 

 

 

胃腸うっ滞

 

 

不正咬合になると異常に伸びた歯が口の中を傷つけてしまい、痛みによって食事ができなくなってしまいます。

 

それが原因となり胃腸の働きが低下してしまうのですが、これはうさぎにとって大問題であり、手遅れになると取り返しのつかないことにも・・・

 

ご飯を食べないときには、緊急を要する場合が多いので早めに受診してください。

 

 

 

 

慢性皮膚炎

 

不正咬合の症状として、頻繁によだれや涙を流すことが多くなります。

 

そのためこまめにお手入れをしてあげないと、皮膚が常に濡れた状態になり皮膚炎を起こしてしまうのです。

 

 

また、伸びすぎた前歯が邪魔になりグルーミングができなくなることもあります。

 

 

 

 

余談

 

 

これは知り合いの話ですが、うさぎが急にご飯を食べなくなったので受診してみると、下あごに膿瘍ができており、膿によってすでに下あごの骨が溶けてなくなっていたそうです。

 

多頭飼いをしていたため、ギリギリまで痛みを我慢してえさを食べ続けていたのでしょうね。

気づいた時にはすでにひどい状態だったそうです。

 

それから治療のためにしばらく通院をしていましたが、結局良くなることはなく最期をみとったそうです。

 

このように不正咬合は、長期にわたり治療が必要となる場合や命を左右する深刻な病気の原因にもなる恐ろしい病気なのです。

 

『おかしいな?』と思ったら、すぐに病院に連れていき適切な治療を受けてくださいね。

 

 

 

 

早期発見

 

 

不正咬合になってしまうと、うさぎはいろんなサインを出し始めます。

 

症状が悪化してしまったら、治療をした後も普段通りの食事ができるようになるまでに時間がかかり、お互いに負担がかかるので、少しでも様子がおかしいと思ったら、早めに病院で検査をしてもらってください。

 

 

 

下のリストで当てはまる項目を チェックしてください。

 

  1. 口やあごの辺り また前足が よだれでぬれている
  2. 何も食べていないのに 口をクチュクチュ動かしている
  3. 頻繫に歯ぎしりをしている
  4. たべものの好みが変わった(やわらかいものを好んで食べる)
  5. 食べようとするがすぐにやめてしまう
  6. 便が小さくなったり 下痢をしている
  7. 涙がでたり 目や頬のあたりがはれている
  8. エサを食べれずやせてきた

 

一つでも当てはまれば要注意です。 早目に受診して口の中の状態を見てもらいましょう。

 

 

 

 

不正咬合の原因

 

 

不正咬合の原因は主に4つ

 

先天性・外傷性・食習慣・老化
遺伝的なものであれば仕方ありませんが、食習慣や飼育環境を見直すだけでも不正咬合は防ぐことができます。
原因を確認して、当てはまることがあれば見直しをしてくださいね。

 

 

 

 

先天性

 

 

遺伝によるものや生まれつきに不正咬合の子もいます。

 

また最近では、ネザーランドドワーフやドワーフホト、ロップイヤーなどのように、顔が小さくて鼻先が短い品種が人気ですが、これらの短頭種は不正咬合になりやすいと言われています。

 

短頭種はそもそも頭蓋骨の形状自体が野生のうさぎとは違い、下顎過長症(かがくかちょうしょう)下顎突出症(かがくとっしゅつしょう)になりやすく、かみ合わせが悪くなってしまうのです。

 

 

 

 

外傷的要因

 

 

・ケージや硬すぎる木などをかじり続けることで歯の根元に負担がかかる。

・高いところから落下したり、家具などにぶつかりあごにダメージを受ける。

・歯が折れたりかけたりする

 

ケージをカジカジしたり木などを噛んでいる姿を見ると、歯が削れていいんじゃないかと思いがちですが、硬すぎるものを頻繁にかじっているとかえって前歯の不正咬合になってしまいます。

 

歯の根元に負担がかかりいったん歯がゆがんでしまうと、上下の正しい咬合ができなくなり定期的に【歯きり】をしなければいけません。

 

また部屋んぽ中の事故により不正咬合になってしまうケースも多いので、安全に遊べるような環境を作ってあげてくださいね。

 

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食習慣

 

 

不正咬合と食習慣の関係は深く、ほとんどの場合これが関係しているのではないかと思います。

 

特に牧草よりペレットや野菜などばかりを好んで食べるうさぎは、歯の摩耗が少なくなり正常な長さに保つことができなくなってしまいます。

その結果噛み合わせが悪くなってしまい不正咬合をひきおこしてしまうのです。

 

 

 

ペレットはなぜいけないの?

 

 

歯を摩耗するために大事な動きは左右にすりつぶしながら食べることですが、ペレットを食べるときには上下の動きになります。

 

この動きでは歯をすり減らすことはできません。

 

またペレットは一見固く見えますが、唾液によってふやけてしまうため咀嚼する必要がなく簡単に食べることができるのです。

そのため牧草を主食としている子に比べて、ペレットばかりを好んで食べる子に不正咬合が多いというわけです。

 

 

 

 

老化現象

 

 

人間と同じように年を取ると歯を支えている骨が弱ってしまい、歯がぐらつく原因に・・・

その結果、歯が異常な方向に伸びていき咬合ができなくなってしまうのです。

また歯が弱って抜け落ちることもあります。

 

うさぎは5歳を迎えるころから老化現象が始まると言われていますので、今までと違った様子が見えてきたら、その子に合ったケアをしながら快適に暮らせるように対策をとってあげてくださいね。

 

 

 

 

不正咬合の予防は?

 

 

上記でもお伝えしたように、普段の生活環境から不正咬合を予防することができます。

特に不正咬合と食事は深い関係があるので、正しい食習慣で不正咬合からうさぎを守ってあげましょう。

 

 

 

 

牧草を食べて健康な歯を

 

 

健康な歯を保つために欠かせないのが、繊維の多い食事!

 

特にイネ科の牧草は繊維質が高く、歯をこすり合わせるように食べるため、不正咬合の予防にピッタリなんですよ。

 

理想はチモシーの1番刈りですが、どうしても食べてくれないようであれば、2番刈り、3番刈りなどその子の好みの牧草を与えてください。

 

またその他にもイネ科の牧草として、オーツヘイ・イタリアンライグラスなどがあります。

 

ペレットも栄養補給として大切ですが与えすぎると牧草を食べなくなってしまうので、かならず1日の摂取量を守ってくださいね。

 

 

毎日牧草をモリモリ食べれるように心掛けて、不正咬合の予防に努めましょう!

 

 

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まとめ

 

不正咬合について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 

うちのよしのも小さい頃は牧草を食べていましたが、徐々に量がへり心配になってその分ペレットを増やした結果、全く牧草を食べなくなってしまいました。

それが原因だとはっきりは言えませんが、不正咬合になった要因の一つだと思っています。

そして現在5歳になりますが今でも定期的に歯きりの手術を受けていますが、今でも『牧草をもっと食べさせていたら・・・』と後悔しています。

 

うさぎの健康を願うのであれば、日頃から牧草をモリモリ食べてくれるように心がけてくださいね。

 

 

追伸

 

今回は不正咬合になるうさぎを1匹でも減らしたいと思い記事にしました。

 

なぜならうちのミニウサギのよしの君も不正咬合だからです。

歯が伸びて食事ができなくなるたびに歯きりの手術を受けています。

毎回、全身麻酔で手術を受けるためとても不安になりますし、膿瘍ができて眼球突出などの病気になってしまったら・・・そう思うと本当に辛いことです。

 

食習慣や飼育環境を見直すことで不正咬合の予防ができることもあるので、しっかりと理解していただいて、健康なうさぎを育ててもらいたいと思います。

 

可愛い子が病気になるのはとてもつらいし不安になるものです。

いつまでも元気で暮らせるように 飼い主として気を付けてあげてください。

 

また犬猫病院は多くありますが、うさぎなど小動物をみてくれる所は少ないのが現実です。

もしものために、受診できる病院を探しておくことをお勧めします。

 

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