うさぎの強制給餌、一人で簡単にできる3つのポイントと正しい方法!

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食べれないうさぎたちの手助けをするのです

【強制給餌(きょうせいきゅうじ)】?・・・聞きなれない言葉ですよね。漢字を見ればなんとなく分かりますが・・・

そうです!食べられないうさぎに強制的にご飯を食べさせることなんです。

うちのよしの君も只今、強制給餌をしています。

 

その原因は不正咬合です。定期的に治療を受けていますが、最近また歯が伸びてきているようで病院を受診したところ、お腹に少しガスがたまっていました。

食べる量が減ってきており胃腸の動きが鈍くなっていたのでしょう。この状態では全身麻酔をかけての治療はリスクがあると言われて、強制給餌をしながら体調を整えることに・・・

それほどひどい状態ではなかったので、強制給餌をはじめて2日目には食欲ももともと通りになりました。

 

慣れないうちはうさぎも暴れて大変ですが、コツをつかめばスムーズにできるようになりますよ。今回は、一人でも簡単に強制給餌ができるポイントを3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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強制給餌(きょうせいきゅうじ)

強制給餌が必要な時は?

食欲が低下して食べない、また口の中のトラブルなどによりご飯を食べることができなくなったときなどに強制給餌を行います。

うさぎは常に胃腸を動かし続けていないといけない動物で、24時間の絶食には耐えられません。

何らかの原因でご飯を食べなくなると胃腸や肝臓など体全身に悪影響を及ぼして命を落としてしまうことも・・・

・うさぎが急にご飯を食べなくなった

・食欲が落ちて食べる量が減ってきている

・ウンチの量が減った、またはウンチが出ていない

・元気がない、ずっとうずくまっている

 

このような症状がある時は要注意です!2,3日様子を見てみよう。なんてゆうちょうなことを言っている場合ではありません。すぐに病院に連れていき獣医の指示のもと強制給餌を行ってください。

 

口のトラブルで最も多い不正咬合についてはこちらの記事で紹介しています。興味のある方はご参照ください。

うさぎ【不正咬合】、涙とよだれ、食欲がない、その原因と予防について

自己判断は危険な行為

食欲がない、ご飯を食べないからと言って強制給餌を自己判断で行うのはとても危険な行為です。

どれくらい食欲が低下しているか、おなかの中にガスがたまっているか、他に異常はないかなどしっかりと診察をしてもらう必要があります。

 

また腸閉塞などの場合は適切な処置を受けてからでないと危険なことも・・・その子の症状によって強制給餌が必要か否か、医師の判断のもとに行わなければ、逆効果になってしまいます。

また、間違った強制給餌のやり方では、喉に詰まらせたりケガをしたりとうさぎにストレスをあたえてしまいます。しっかりと正しい方法をマスターしてください。

 

うちのよしの君は牧草を食べません。うさぎにとって繊維はとても大切な栄養素で、不足すると胃腸うっ滞などを引き起こす要因にも・・・日頃より牧草をしっかりと食べれるようにしてあげてくださいね。

牧草の与え方について詳しく掲載しています。ぜひ参考にしてください。

うさぎの主食は牧草!牧草好きのうさぎを育てて病気知らずで健康に!

うさぎチモシーだけでいい?いろんな種類の牧草を食べさせて偏食対策!

うさぎって牧草入れで食いつきがかわる?牧草フィーダーおすすめ11選

強制給餌の方法

 

回数や与える量

1日に与える量は個体の大きさやその子の症状によって変わってきます。病院で回数や与える量なども指示してもらえますので、様子を見ながら決められた量の流動食を与えてください。

 

一般的には体重の3~5%程と言われているので、1㎏あたり30~50gの流動食を与えることになります。

 

うちのよしの君の場合は、1回の強制給餌で15ml、それを1日3回与えるようにと病院で指示を受けて行っています。

強制給餌で大事なのはできるだけ小分けにして与えるということです。それは【常にうさぎは胃腸を動かしていなければいけない動物】だからです。

そのため必要量を1回で与えるのではなく、回数を増やして小分けに与え、1日を通して胃腸が動いている状態を作ってあげてください。

 

 

理想は2~3時間おきというところです・・・がなかなか難しいですよね。

 

うちも仕事をしているので、日中は流動食を与えることができません。

そのため、朝(多め)、夕方家に戻ってきたとき、寝る前、という具合に1日3回の強制給餌を行っています。

 

元気な時に食べている食事量の7割程度を自力で食べれるようになり、健康な便が出ているようであれば強制給餌をやめてもよいと病院で教えていただきました。

それを目安に量や回数を調節してくださいね。

 

準備するもの

パウダー状のえさ

 

うちの場合は病院で購入しましたが、市販されています。

使用するときにパウダー状のエサを水で溶かして与えます。

エサの量と水の割合は決まっていませんが、硬すぎるとシリンジに吸い込みにくくなったり、吸い込んだときに空気がたくさん入ったりします。

空気が入ったままの状態ではうさぎに与えられないので、必ず確認するようにしてくださいね。


大体の分量としては、【粉1に対して水2~3】くらいです。少しずつ水を加えながら調節しましょう。

 

よしの君の場合は1回につき15mlの流動食を与えます。分量の目安として【粉末のエサ、中さじ2杯に対して水、中さじ5杯くらい】です。(廃棄するのがもったいないので、ギリギリで作っています)

 

 

あまり水分が多すぎると便が柔らかくなったり、下痢になることもあるので気を付けてくださいね。

 

また多めに作りすぎたからと言って、保存しておくことはできません。もったいない!と思いますがその都度作って与えるようにします。


 

ライフケアは、よしの君も病院で購入して使用しています。牧草嫌いでペレットが主食になっていて最近盲腸便が柔らかくなっていたのが気になっていたのですが、これを食べさせるようになってからきれいな盲腸便が出ています。きっとライフケアのおかげ!

 

ペレット

うさぎの中には食べ慣れた味を好む子もいます。他のものを嫌がる場合は、その子が常備食べているペレットを粉末にして食べさせてあげるとストレスも軽減されます。


ペレットをお湯に浸してスプーンなどでつぶしていきます。この時お湯が少ないと滑らかなペースト状にならないので調節してください。

 

ペレットによっては粒が残ってしまいペースト状にならないものもあります。
その状態ではシリンジの先に詰まってしまったり、うさぎが喉に詰まらせたりすることにもなるので、先にペレットを粉状になるまですり鉢などですりつぶしてからぬるま湯を混ぜてください。


これがわりと大変な作業でなかなか粉末にならないと苦労されている方が多いみたいですよ。

そこで、皆さんが使用しているのが【ミルサー】

そのままペレットを入れてセットするだけで簡単にパウダー状になる優れもの!




粉末にしたものを乾燥剤と一緒に瓶などで保管しておくといいかもしれませんね。(衛生面からみて1週間で使い切れるくらいの作り置きをおすすめします)

 

よしの君の場合は、繊維質をできるだけ摂らせてあげたいので、ライフケア(粉末のエサ)と繊維質の豊富な牧草代用ペレットをすり鉢ですりつぶしたものを混ぜて使用しています。




 

シリンジ

注射器の先っぽが針ではなくプラスチックになったものです。

シリンジの先をカットして使用します。

サイズは色々とありますが、私が病院で購入したものは、1mlのものです。うさぎの口は小さいのでこれくらいのサイズが使いやすかったように思います。


強制給餌を行う際には、少しづつ口の中に入れてあげ、うさぎの様子を見てまた次の流動食を入れてあげる、これを繰り返します。

この1mlのシリンジの場合は、一回に口の中に流し込む量としてちょうどよい量なので、きにせず押し出すことができて、初心者には使いやすいサイズでした。



 

基本的には使い捨てなので、1回使用するたびにシリンジを交換した方が良いと病院で言われましたが、そうなるとかなりの本数が必要になるので大変ですよね。

獣医に聞いたら中に付いているゴムが古くなると、シリンジのピストン動作がしにくくなるので、それを目安に交換してくださいとのことでした。

ちなみにうちの病院では、1mlのシリンジ 1本20円です。病院で購入した方が安いのでまとめて購入しておくといいですよ!

 

バスタオル

うさぎは臆病で抱っこされることが苦手な子が多く暴れてしまってケガをしたり・・・ということもよく耳にします。

家で薬を投与したり強制給餌を行う際にも保定(安全に処置などが行えるように、動物の動きを一時的に制限すること)がとても大事になります。
暴れて落ち着かないときには、バスタオルなどでうさぎをくるんであげると以外と大人しくなりますよ。

 

ティッシュペーパー

強制給餌を行うとどうしても口元が汚れてしまいます。すぐに拭いてあげられるように手元に置いておくと便利ですよ。

 

一人で簡単にできる3つのポイント

手伝ってくれる人がいる場合は比較的スムーズにできますが、一人でやるとなればわりと大変な作業だと思います。

また、慣れていないと手こずってしまい時間がかかる・・・強制的にご飯を食べることだけでもうさぎにとってはストレスですから、できるだけ短時間で終わらせてあげ、負担を軽減させてあげたいですよね。


今回、初めて強制給餌に挑戦してみて、一人でも簡単にできるやり方をマスターしました。ポイントはたったの3つ!これをマスターして、チャレンジしてみてくださいね。

 

ポイント1

必要な分量の流動食を、最初にシリンジに全部セットしておく!



病院でも練習はしましたが、片手でうさぎを捕まえておき、もう一方の手でシリンジに流動食を入れていきます。

簡単そうに見えますが実際やってみると大変なんですよ・・・流動食と一緒にシリンジの中に空気が入ってしまうことがあります。そうなるとやり直ししなければいけません。

ここでかなり手間がかかって時間のロスにもなります。

最初にシリンジにセットしておけば、あとはうさぎの様子を見ながら与えていくだけなので、強制給餌がかなりスムーズになりますよ。

 

ポイント2

うさぎを保定する(うさぎの動きを止めておく)

これさえうまくできれば、成功したのも同じこと!

 

・床の上で保定する

椅子などの高い場所だと急に暴れだ出した際、落下して骨折したりケガをさせてしまうことになります。うさぎの骨は軽くて薄くとてももろいので、ちょっとした段差から飛び降りたり、暴れた時に軽くおさえたつもりでも骨折してしまいます。

『高い場所だと怖くて大人しくしているだろう』なんて考えは危険なのでやめてくださいね。

 

また椅子に座って強制給餌を行う動画などがありますが、かなりうさぎのあつかいに慣れている人や、おとなしいうさぎなんだと思った方がいいですよ。
基本的にうさぎのケアをするときは床の上で行うと頭に入れておいてください。うさぎのことを考えてくれている病院では、必ず獣医さんたちも床の上でうさぎを診察しています。

 

・うさぎの姿勢は自然な姿勢で

仰向きの状態で強制給餌を行っている方もいるようですが危険です。

喉につまらせたり、気管支や肺につまらせたりと最悪な結果をまねく原因になるので絶対にやめましょう!

 

・正座をした状態でうさぎを股の間に挟み込むようにします。

この時に足をクロスさせて正座をしておくと、うさぎが後ずさりして逃げるのを防げます。
また前方に逃げようとする場合は上から押さえつけるのではなく、顔から首元あたりに置いてある手に少し力を加えて『ダメ』と声掛けをしてください。
暴れるようであれば顔だけを出すようにしてバスタオルで少しきつめに巻いておくとおとなしくしてくれますよ。

 

・バスタオルを広げて真ん中にうさぎを乗せましょう

・首元からしっかりと体に巻き付けるようにします。この時に首元にたるみがあると前足などを出したり、顔を引っ込めたりするのでたるみのないようにしてくださいね。

これでうさぎを保定することができます。このやり方をマスターしておけば投薬の時なども楽になるので練習しておくと役に立ちますよ!

 

ポイント3

前歯の横からシリンジを差し込む

うさぎ唇を横からめくりあげるようにしてシリンジを差し込みます。前歯の横には隙間があるのでそのあたりに差し込むようにするとうさぎが口を軽く開けます。

・その後シリンジを前歯の方にスライドさせて、流動食を押し出してあげましょう。

うさぎの口の中は奥に広いので、シリンジをある程度奥に入れて押し出してあげると、こぼしたり吐き出したりすることがありません。顔を動かしてシリンジがうまく差し込めないときは目隠しをするとじっとしてくれますよ

 

・1mlを一気に流し込んであげ、うさぎがモグモグして飲み込んだらまた次を与えます。

うさぎがモグモグ口を動かさなくなったら【お腹いっぱいのサイン】です。流動食が残っているからと言って無理に食べさせるのはやめてください。

 

まとめ

今回は、ひとりでできる強制給餌の与え方をご紹介しました。

慣れないうちは手間取ったり、うさぎも嫌がったりしますが、優しく声をかけながらお互いに頑張ってみてください。

強制給餌ができるようになれば、いざという時にとても役立ちます。

犬や猫などに比べて、うさぎは非常に繊細でデリケートな動物です。

昨日までは元気だったのに、急に食べなくなった、便が出なくなったなど・・・うさぎを飼育していると、このような症状で病院に行くことは珍しいことではありません。

また状態が急変してしまうこともあります。しっかりと様子を見てあげながら、1日でも早く回復できるように手助けしてあげましょうね。

 

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