ミニウサギのよしの君 4歳
右目に涙の跡が・・・そして目の周りの毛が固まりバサついています。きになり様子を見ていると、左目に比べて右目がウルウルしており、涙がたまっているのがわかりました。
『涙くらい大丈夫!』なんて思いがちですが、その涙が続くようなら病気のサインです。
うさぎの目のトラブルで多いのは流涙症。ほおっておくと命にかかわることもあるので、要注意!
また涙を放置しておくと、皮膚が炎症を起こして目の周りの毛が抜けてしまうこともあります。
今回はうさぎの涙の原因とケアの方法をご紹介しますので、是非参考にしてください。
どうして涙が出るの?
うさぎが涙を流している・・・
『さみしがり屋だから悲しくて泣いてるんだね・・・』なんてことはありません!
そのため目から涙を流すことはないのですが、この管が何らかの原因で詰まってしまうと鼻の方へ流れなくなった涙が目から溢れ出してしまいます。
・目がいつもより潤んでいる、または涙が出ている
・涙の流れた後が残っている、または目の周りの毛がいつも濡れている
・目の周りの毛がバサバサになっている、ベトベトしている
・乳白色の涙が出る
・前足で顔などをグルーミングするため目や涙で前足の毛が濡れている
このような症状があれば、早めに病院に行き検査をしてもらいましょう。
日頃から目の健康チェックを行ってくださいね。
流涙症(りゅうるいしょう)とは?
うさぎの目のトラブルは様々ですが、もっとも多いのが流涙症(りゅうるいしょう)といって、常に涙が目からあふれている状態のことです。
またこの流涙症(りゅうるいしょう)の裏には怖い病気が隠れていることが多いので、しっかりと原因を突き止めて、適切な治療を受けなければいけません。
流涙症の原因となる主な病気
涙は目のトラブルにつきものです。
放っておくと取り返しのつかないことに・・・今回は涙と関係している主な病気をご紹介しますので、当てはまることがあればすぐに病院で調べてもらってくださいね。
鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)
流涙症(りゅうるいしょう)の原因で特に多いのが鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)です。
通常涙は、涙腺から分泌されて目を潤した後、まぶたにある涙点という穴から吸い込まれて鼻涙管を通って鼻の方へ流れていきます。
これを鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)と言います。
原因は
・不正咬合・・・歯の根元が伸びることで鼻涙管を圧迫してしまいう。
・スナッフル・・・パスツレラ菌や常在菌のブドウ球菌が鼻涙管で繫殖して化膿や炎症をおこす。
・生まれつきに鼻涙管が狭く、ゴミなどが詰まりやすい
また結膜炎から鼻涙管閉塞を発症することもあります。
奥歯の歯根が伸びすぎて鼻涙管を圧迫してしまい炎症などを起こしてしまいます。

治療法
それによって鼻涙管に詰まっていた膿やゴミなどが鼻から流れ出て、管の通りがよくなります。
うちのよしの君も不正咬合が原因で、慢性的な鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)になっています。
最初は鼻涙管洗浄をしてもらって涙がおさまりましたがまた再発・・・抗生剤などを服用したり点眼薬などの治療を続けていましたが、まだ涙が出ています。
このように不正咬合が原因で鼻涙管閉塞を発症すると、再発することが多く生涯涙とお付き合いするはめになります。
涙嚢炎(るいのうえん)
その場所が腫れていたら要注意!炎症がひどい場合には痛みをともないます。
原因として多いのが、上記で述べたように鼻涙管の閉塞によるものです。またパスツレラ菌やブドウ球菌などが増殖、化膿、炎症を起こすことで発症するケースもあるようです。
症状
・涙嚢(るいのう)がはれる
・乳白色の涙が出ている
・目の下あたりを軽く押すと白色の涙がでる
治療方法
涙嚢炎(るいのうえん)の治療方法は鼻涙管洗浄です。
また粘液を採取して細菌感染に効果のある抗生剤を内服したり、点眼します。
予防と早期発見が重要になるので、日頃から目の異常がないか調べるようにしてくださいね。
予防
繊維の豊富な牧草をしっかりと食べさせてあげ、正常な歯の長さを保てるようにしてください。
うさぎの食事についてはこちらを参考にしてくださいね。
長期的な治療が必要になってくるケースが多いので、日常的にチェックしたり、早期発見、早期治療ができるように心がけてくださいね。
結膜炎(けつまくえん)

症状
・結膜の充血や腫れ
・目やに(白っぽいものや透明で水っぽいものがあります)
・目がウルウルしている
・涙がよく流れている
・まぶしそうに眼を細めたり、しっかりと開くことができない
などの症状があります。
原因
・細菌やウイルスの感染
結膜炎の原因で多いのはパスツレラ菌の感染です。その他にも黄色ブドウ球菌、トレポネーマ、ポックスウイルスなどがあります。
・刺激物によるもの
ケージ内の空気の流れが悪く、排泄物のお手入れができていない場合、アンモニア濃度が高くなり結膜を刺激して炎症を起こしてしまいます。
またケージ内をお手入れするときに使用する、消毒剤や消臭剤なども刺激物の原因になります。
・異物によるもの
牧草やウッドチップ、またうさん歩などで砂ぼこりなどの異物が目に入り結膜炎を起こします。逆さまつ毛も原因のひとつです。
・他の病気が原因
鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)や涙嚢炎(るいのうえん)により、2次的に結膜炎を発症することがあります。
このように様々な原因から結膜炎を引き起こしてしまうことがあり、放っておくと角膜炎やぶどう膜炎、ひどい場合は緑内障になり眼球摘出をすることもあります。
治療法
必要に応じては抗生剤や鎮痛剤を内服することもありますし、異物が入っている場合は除去したり、鼻涙管の洗浄を行うこともあるようです。
ただパスツレラ菌の感染から結膜炎を引き起こした場合は、長期治療が必要になるようになります。
予防
特にトイレの掃除はこまめに行い、定期的にケージなどもお手入れするように心掛けましょう。
その際使用する洗浄剤などはうさぎ専用のものか、刺激の少ない安全なものを使用してください。
またできるだけ空気の流れを作ってあげて、通気を良くしておくことも忘れないでください。
うさぎのトイレ掃除の方法などを詳しく掲載しています。こちらをご覧ください。
角膜炎(かくまくえん)
目の表面を覆っている膜を角膜と言います。
うさぎの目はもともと飛び出ていて、まばたきの回数が少ないこともあり角膜が傷つきやすくなっています。
また犬や猫に比べて角膜が薄いので、うさぎの目のトラブルでとても多い病気です。
症状
・目をしばしばさせる
・涙が異常に多くなる
・目が開けられない
・目が白く見えたり眼球内に毛細血管が見えるようになる
また角膜炎が進行してしまうと角膜潰瘍(かくまくかいよう)になってしまい、完治するまでに長期間の治療が必要になってくるので、早期発見が大切です。
原因
主な原因としては外傷や感染などがあります。
牧草などの異物が目に入ったり、ケンカやグルーミングの時にひっかいてしまったり、またテーブルや家具などにぶつかることで角膜が傷つき炎症を起こしてしまういます。
また神経異常、免疫異常、遺伝、代謝異常などによって起こることもあり、角膜の傷が深いと目が白く濁ってしまい、視力の低下や失明することもあります。
治療法
主に抗生剤や角膜保護薬の点眼で治療しますが、悪化して角膜潰瘍になった場合は手術を行うこともあります。
角膜潰瘍(かくまくかいよう)
痛みがあり症状が悪化すると、目に穴が開く【角膜穿孔かくまくせんこう】を起こすこともあるので、早期治療が必要です。
症状
・まぶしそうにする
・涙が流れている
・目やにや結膜の赤み
・痛みがあるためうずくまっている、顔周りを触られるのを嫌がる
また角膜の表面が白く濁ってし舞うこともあり、その場合は視力が低下してしまいます。
原因
角膜炎と同じく、外傷によるものや異物の混入などが原因になります。
また眼球が突出しまう病気などになると、まぶたを閉じることができないため角膜が乾燥して角膜潰瘍(かくまくかいよう)を引き起こしてしまいます。
眼球突出は不正咬合が原因で起こることが多いので、現在不正咬合になっている子は気を付けてくださいね。
予防
外傷的なものなら飼育環境を見直すことによって、角膜炎や角膜潰瘍(かくまくかいよう)の予防ができます。
うさぎは縄張り意識が強い動物なので、多頭飼いしている場合はケンカやトラブルにならないように注意が必要です。
中には相性が悪い子もいますからその場合には、スペースを分けて生活させてあげてくださいね。
またグルーミングの時に傷つかないように、定期的につめ切りをしておくのも大事です。
歯のトラブルが原因することもあるので、しっかりと牧草を食べさせてあげましょう!
眼窩膿瘍(がんかのうよう)
症状としては
・目が飛び出る
・目やに・涙(乳白色)
重度になると食欲不振や元気がなくなってしまいます。
食欲がなくなりエサを食べなくなってしまうことは、うさぎにとって最も危険なことです。早く治療をしないと命にかかわりますので、早急に受診しましょう。
原因
眼窩膿瘍(がんかのうよう)はほとんどの場合、不正咬合が原因です。
また眼球突出になると、まぶたを閉じることができなくなり角膜潰瘍(かくまくかいよう)を併発します。
治療法
・抗生物質の服用
・切開して膿を取り出し洗浄する
・原因となる歯の治療
・場合によっては眼球を摘出
早期の治療が必要になります。
定期的に検査を受けていれば、眼窩膿瘍(がんかのうよう)にまで進行することなく、根尖膿瘍(こんせんのうよう)の段階で治療をすることができます。
涙やけを防ぐ
何らかの病気が原因で涙が流れていると、常に目の周りは濡れた状態になってしまいます。
特にうさぎの涙は、犬や猫に比べて油分が多いので、乾燥すると毛がカピカピになってしまいます。
涙のケア
理想的なのは、涙が出ているのに気づいたらふき取ってあげることです。
目元はデリケートなので力を入れないように優しくしてあげてくださいね。
拭き取る時のポイント
・ガーゼなどを使って毛束をしっかりと濡らす
・毛束をもみほぐすようにする
・仕上げに同じように指で毛束をほぐす
・最後に水気をキレイに拭き取る
これで乾くとふわふわな毛に戻りますよ。
また専用の洗浄スプレーもあるので使ってみてください。
120種の植物ビタミンでできた全身に使える洗浄スプレーです。
熊笹・よもぎ・れんげ・レモンなどを使用しているので舐めても安心、また直接顔に吹きかけることもできるので使いやすく簡単です。
見たところ犬猫用みたいに見えますが、レビューを見てもうさぎに使用している人が多く、私も購入したいと思っています。
また涙やけのお手入れに使用している人も多く、スプレーして少し馴染ませて置きふき取るだけできれいになるので、お手入れを嫌がる子におすすめです。
美毛・スキンケアの効果も高く、涙やけではげたところに使っていたら、2週間ほどで良くなったという話も!一度試す価値ありですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
涙の原因となるおもな病気をご紹介しました。
涙の裏には必ず何らかの病気が潜んでいますので、1日も早く病院で検査をしてもらってください。
目のトラブルは早期治療で重症化を防ぐことがとても大事なことです。
またうさぎの目で起こるトラブルの90%が歯が関係していると言われています。




